読書日記
女ごころ
戯曲って小説として読むとどこかテンポの速さ、場面に置いていかれてる感じがしないでもない。
美貌の未亡人メアリーはESFP?損得よりも自分が惹かれるものに引っ張られるタイプ。
金も地位も持っている英国高官のエドガーではなく、女性の心を掴むのが得意なロウリーを選んだのはきっとそこにあるはず。
数年後にはロウリーにとって3度目の離婚となってしまうか、若しくは浮気性に悩まされるのに離れられないメアリーの姿が思い浮かんでしまう。
自分を求めてくれるダメな人に惹かれて尽くしてしまう。
メアリーとはそういう人。
美しい女性は無条件に男性を惹き付け、女性の思うがまま男性を振り回す。たとえ貧しい哀れな1人の男性を自殺に追い込んだって、誰も美しい女性を責めたりなんかしない。
女ごころとは、実に残酷。
モームから見た女性像はこうでもあるのかと皮肉めいたような、でも嫌な感じはしない。
そういう女性、現実に実在するもの。